「じんざい」について調べる

人材 お役立ち情報

私の学生時代「じんざい」という言葉は、「人材」の一種類のみでテストではこれ以外を回答するとバツでした。現在も恐らくですが、国語辞典を調べると「人材」のみが出ており、「人材」以外は造語の扱いだと思います。

これが社会人になると、3種類、4種類、5種類、6種類と「じんざい」の種類・バリエーションが増えて説明されます。

「じんざい」のバリエーション

こじつけのような気もしますが、2-6-2の法則よろしくヒトを区別するためにバリエーションが次々と生まれてきたようです。

3種類

もともとはネガティブな要素を持っていなかった分類のようです。ヒトが人才、人材、人財と成長していく姿を描いた分類だったようです。会社が想定するキャリアパスみたいなものだったのだと理解しました。

人財(++):財産的価値を持った人

人材(+):業務を適切にこなせる人

人才(+):才能・才覚を持った人
生まれ持った才能・才覚に加え、後天的に訓練などで獲得した才能・才覚がある人を指すようです。

4種類

ネットなどでは、最も検索で多く抽出されるのがこの4種類に分けたものです。キャリア開発の場面でもよく出てくる分類です。キャリアが人材スタートで、ポジティブ側の人財となるか、ネガティブ側の人在や人罪となるかを示しています。

人財(++):会社の「財産」という人
その人が会社にとって財産的価値や利益を生み出してくれるため、大切にしたいという意味が含まれています。
私は2-6-2の頭の2を表す人だと考えています。ただし、頭の2の人が期待通り活躍できる理由は、中の6の人が準備や後片付けなどの裏方仕事を代行してくれているからです。ここを忘れている頭の2の人は、中長期的に活躍できない人になると考えます。

人材(+):組織人として会社の業務を適切にこなせる人
ここから社会人としてのキャリアがはじまり、単なる労働力としてだけでなく、将来性への期待が込められています。
私は会社にいいように使われる人というニュアンスを感じています。

人在(-):既存の仕事は適切に実施できるが、成長が期待できない人
すでに成長が止まり、既存の経験・スキルの範囲で仕事をしているため、会社にとって少し扱いづらい人という意味が含まれています。
私は独立や他社にいくと活躍の場が広がる人だと考えています。その企業では事業成長が止まり衰退期に入っていたとしても、独立や他社に行くと状況が異なることが多いと感じるためです。強みを活かせる場を見つけるとよいと考えます。

人罪(--):仕事も適切に実施できず、将来も期待できない人
現状すでにスキルアンマッチで、さらに将来も期待できないため、会社にとって扱いづらい人という意味が込められています。
私は2-6-2の下の2を表す人だと考えています。キャリアは人材から始まっているので、会社・職場・上司・同僚などの環境にあわなかったということだと理解しています。また、仕事内容自体もあわなかったのだと考えます。自らの強みを整理し、強みを活かせる仕事を見つけることから始めると状況が変わると考えます。

5種類

人財、人材、人剤はポジティブな意味があり、人在、人罪はネガティブな意味がある分類となっているようです。

人財(++):会社の財産という人

人材(+):会社に必要な人

人剤(+):従業員間の調整役を担う人

人在(-):業績が目立たず、ただ会社に在籍している人

人罪(--):やる気がなく、会社の発展を邪魔する人

6種類

人財、人材はポジティブな意味があり、人在、人済、人罪、人災はネガティブな意味がある分類となっているようです。

人財(++):職場になくてはならない頼まれた以上の仕事をこなせ、高い専門性や人間性も豊かな人

人材(+):潜在的な能力があり、他の「じんざい」に変化できる人
私はキャリアが成長できる環境や役割、適切な指導などにより、よい方向へ変われるのだと考えています。

人在(-):与えられた仕事や頼まれた仕事のみをする受け身の人

人済(-):過去は社業に貢献できたが、現在は貢献できない人
過去の栄光にすがり威張っており、持論を押し付ける人というニュアンスを感じます。

人罪(--):与えられた仕事が遂行できず、遂行できない分を他人が代行する必要のある迷惑な人

人災(--):与えられた仕事が遂行できず、遂行できない理由を他人に責任転換しトラブルや災いを招く人

ゼークトの組織論

軍人を4つに分類し、それぞれに向いた仕事があるとした考え方があります。上記で説明してきた「じんざい」の分類に似ていると感じたため紹介します。

利口で怠慢な人:判断力・行動力に優れ、マネジメント能力を使い他人に動いてもらうことで成果を出すため指揮官に適している
利口で勤勉な人:判断力・行動力があるため自ら動いて成果を出すため参謀に適している
愚鈍で怠慢な人:自ら考えることはないが、命令を忠実に実行できるため兵士に適している
愚鈍で勤勉な人:誤った判断で勝手に行動して不利益を出すため、不要で排除すべき

軍人の4分類
軍人の4分類(現代語訳風)

私の認識では、指揮官と参謀が「人財」、兵士が「人材・人在」、銃殺と書いた人が「人済・人罪・人災」なのだと感じました。

Johannes Friedrich Leopold von Seeckt(ヨハネス・フリードリヒ・レオポルト・フォン・ゼークト)という方が軍人を4つに分類したとされ、日本で広まったそうです。
出典:wikipedia「都市伝説としての「ゼークトの組織論」

本当は、Kurt Gebhard Adolf Philipp Freiherr von Hammerstein-Equord(クルト・ゲプハルト・アドルフ・フィリップ・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルト男爵)という方が副官に述べたのが原点のようです。
出典:wikipedia「「将校の4分類」

wikipediaやネットでは上記のように説明が行われていますが、実際はマキャベリやもっと昔の君主論や戦略論、組織論などのなかに原点があるように感じます。

まとめ

ヒトをどのように分類するかは会社や上司が、その会社の基準で判断し分類を実施します。その分類やレッテルが気に入らない場合は、我慢して会社にしがみつくよりも次の展開を考えて動いたほうが未来が開ける気がします。

個人の方へ
他人を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。
冷静に現状の自分はどの「じんざい」なのかを考え、変わりたい「じんざい」に向け行動することが求められていると考えます。

企業・組織・上司の方へ
欲している「じんざい」はいつまでに、誰が、何人、どのようなスキル・経験を持つ人を、どのように採用・育成するのかを決めるのはあなたの役割です。種を蒔かず、水も肥料も与えずに、育たないと嘆くのは誤っていると考えます。
また、VUCA環境下でイノベーションが求められる現代は、同質性よりもダイバーシティ(多様性)が役立つとされています。さまざまな特徴を持つ「じんざい」を活かしてこそ、イノベーションが生まれるという発想が、現状からの脱却に役立つことも知っておいて損はないと考えます。

自社単独で「じんざい」の課題が解決できない場合は、外部の経営コンサルタントなどを活用し時間を買うこともご検討ください。

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