取引先の大手企業からの依頼で排出量削減を求められる機会も増えていると感じます。しかしながら、排出量削減を謳うためには、そもそも現在の排出量がわからなければ削減効果を謳うことができません。
下記のツールを使用して計算することができるので紹介します。
上記サイトの中に「エネルギー起源二酸化炭素排出量等計算ツール」というExcelファイルがあります。なぜWeb上で自動計算できるようにしないのかは不明ですが、ないものは仕方ないのでExcelで試してみたいと思います。
初期表示
はじめて入力する場合は、どこから手を付けたらよいのかわからない状態で表示されます。黄色い背景色の部分を手入力すると、右側の排出量が計算される仕組みになっています。
手入力で計算準備
ここがこの計算ツールの残念な点ですが、別の資料を見て手入力しなければなりません。電力の場合だと環境省の「算定方法・排出係数一覧」にいき、「電気事業者別排出係数一覧」から必要な資料をダウンロードします。今回は「令和5年提出用」を使ってみます。
下図のように手入力で、使用している電力会社ごとの①契約プランをはじめに入力します。契約プランのことをこの計算ツールでは「電気事業者メニュー」と表現しています。
そのうえで、契約プランに紐づいた②基礎排出係数と③調整後排出係数を入力します。桁数が面倒くさくなっているのでコピー&ペーストすると楽です。
これでようやく計算準備が整いました。
排出量の計算
最後に年間の電力使用量を入力します。
ここにも落とし穴があるので注意しましょう。単位が『千kWh』となっています。
月平均で1,000kWh使用している場合は、年間で12,000kWhとなります。入力する場合は『12kWh』と入力します。
毎月明細が届くので、一年分を合計した後に『千kWh』単位にするとよいと思います。
ようやく計算結果として、排出量「5tCO2」が求められました。上記は電力の例です。都市ガスも同じように計算ができます。
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(もの補助)」のグリーン枠を申請する場合にも、この計算ツールで得た排出量を転記するとよいと思います。
自社の排出量削減という壮大なテーマに漫然と取り組むよりも、省エネと捉えて電力やガスの効率的な利用をすることでコストを削減しつつ、結果として排出量も削減されているということが現実的だと考えます。