東京都の中小企業向けAI診断ツール「Mir-AIサーチ」を紹介します。「Mir-AIサーチ」が、経営課題の整理や支援策探索にどう役立つのか、活用のポイントと限界、実務で次の一手につなげる考え方を解説します。

経営者の悩みは、「調べること」より「整理すること」のほうが難しい
中小企業の経営相談では、
「補助金・助成金や支援策が多すぎて、どれを(どこを)見ればいいかわからない」
「自社の課題が漠然としていて、何から手をつけるべきか決めきれない」
という声をよく伺います。
こうした課題に対して、東京都が公開しているのが経営診断ツール「Mir-AIサーチ」です。AIとの対話を通じて経営課題を整理し、課題に応じた支援策を探せる仕組みになっています。このため、「支援策が多すぎて選べない」や「自社の課題を整理する余裕がない」といった悩みに、無料で応えてくれます。
つまり、「Mir-AIサーチ」を利用する価値は、単なる検索ツールとしてではなく、“考えを言語化し、課題を見える化する入口”にあると言えます。
「Mir-AIサーチ」とは何か
「Mir-AIサーチ」は、東京都が提供する中小企業向けの経営診断ツールです。PC・スマートフォンの両方から利用でき、AIが経営課題を整理しながら、関連する支援策の候補を提示してくれます。
主な使い方は、次の3つです。
AI対話で探す
漠然とした悩みを入力し、AIからの質問に答えながら課題を整理していく方法です。「何に困っているのか」を自分の言葉で確認できるため、最初の一歩として非常に使いやすい導線です。
直接探す
キーワードや絞り込み条件を使って、支援策を直接検索する方法です。すでに目的がある程度明確な場合に向いています。
相談例・テーマから探す
資金調達や事業承継など、主要な経営課題や相談例から関連施策を一覧で確認する方法です。「自社の悩みに近い事例から見たい」という場合に有効です。
なぜ今、このようなツールが有効なのか
経営課題は、単独では存在しないことが多いからです。
たとえば「売上が伸びない」という悩み一つをとっても、実際には集客、提供価値、営業導線、既存顧客フォロー、採算管理など、複数の論点が重なっているケースが少なくありません。
このとき、最初から「使える補助金は何かないか」と探してしまうと、打ち手が表面的になりやすいという問題があります。一方で、「Mir-AIサーチ」のように、まず悩みを言葉にしながら整理する仕組みがあると、経営者自身が「自社は何に困っているのか」を捉えやすくなります。
特に、次のような企業には相性が良いと考えられます。
- 課題が漠然としているので、課題の整理から始めたい
- 施策や補助金の情報収集にかける時間が限られている
- 公的支援策をうまく使いこなせていない
- まずは無料で使える信頼性の高い入口を探している
ただし、「Mir-AIサーチ」だけで十分かというと、そうとは限りません
ここは実務上、冷静に見ておくべきポイントです。「Mir-AIサーチ」はとても有用ですが、あくまで課題整理と支援策探索の入口で使えるツールです。
実際の経営改善や新規事業、マーケティング、DX推進では、次の論点が必ず残ります。
- いま本当に優先すべき課題は何か?
- その施策を使うべきタイミングか?
- 自社の体制・状況で実行できるか?
- 補助金・支援策の活用が目的化していないか?(手段としての施策活用が、目的としてすりかわっていないか?)
- 導入後に成果へつなげる設計がなされているか?
つまり、「見つけること」と「進め切ること」は別の仕事です。
「Mir-AIサーチ」や生成AI活用は、選択肢を広げてくれますが、実行段階では、事業の現状、組織体制、顧客構造、資金繰り、社内の意思決定速度まで踏まえて判断する必要があります。
おすすめの使い方は、「AIで整理→人が優先順位を決める」の順
まずは「Mir-AIサーチ」で悩みを言語化する
頭の中で曖昧だった悩みを入力し、「Mir-AIサーチ」や生成AIとの対話を通じて論点を整理します。この段階では、正確に話そうとするよりも、まず(単語レベルでも)言葉にしてみることが重要です。
提示された支援策を広く把握する
直接検索や相談例検索も使いながら、使えそうな制度を俯瞰します。ここでは絞り込みすぎず、候補を広めに見ておくことをおすすめします。
最後に、自社に合う・使える順番へ落とし込む
本当に重要なのは、検索結果に出てくる施策の多さではなく、「やらないこと」、「いま着手すべきこと」、「後回しにすべきこと」を決めることです。支援策が見つかっても、事業計画、営業導線、業務設計、組織体制が整っていなければ成果にはつながりません。
こんな場合は、相談を組み合わせると効果的です
もし次のいずれかに当てはまるなら、「Mir-AIサーチ」の活用とあわせて、第三者との壁打ちを入れることをおすすめします。
- 課題が複数あり、優先順位を決めきれない
- 支援策は見つかったが、実行計画に落とし込めない
- 新規事業、マーケティング、ブランディング、DXなど複数領域が絡んでいる
- 補助金活用だけでなく、その先の成果創出まで設計したい
- 社内だけでは論点整理が進みにくい
「Mir-AIサーチ」や生成AIで、選択肢を広げることはとても有効です。一方で、実務では「何を、どの順番で、どこまでやるか」を決めることが成果を左右します。そういった整理や成果創出まで進めたい場合は、外部の視点を入れることで判断の精度や実行力が上がります。
まずは、AIで経営課題を整理するところから始めてみてください
東京都の「Mir-AIサーチ」は、経営課題を整理し、支援策を探すための良い入口です。「何となく悩んでいる状態」から「論点が見えている状態」へ進むだけでも、経営判断の質は大きく変わります。
そのうえで、
「何が本質課題なのか」
「どこから着手すべきか」
「支援策をどう成果につなげるか」
まで整理したい場合は、お気軽にご相談ください。
「Mir-AIサーチ」を試してみて、「自社の場合はどう考えればよいか」を整理したくなったら、ビーフィッツ・コンサルティングにご相談ください。課題整理から優先順位付け、実行の進め方まで、実務に落ちる形で伴走します。
参考リンク


